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中世美学史

已有 1177 次阅读2021-6-27 20:31 |个人分类:书讯

中世の美的感性、超越性としての美、均整の諸美学、光の諸美学、象徴と寓意、美的観察法の心理と認識論、トマス・アクイナスと有機体の美学など、ウンベルト・エコの学問・思想の原点を開示する名著を翻訳。
本書は「『薔薇の名前』の歴史的・思想的背景」と銘打っているが、決して同作品の解説書ではなく、あくまでも専門研究者の間で「『薔薇の名前』を理解するのに不可欠な背景が頻出している」…と指摘されているからこそ、この副題が付いたに過ぎない。
依って『薔薇の名前』を読んで、或いは映画を見て「漠然と」興味を持った…という程度では、とてもだが太刀打ち出来る内容ではないので、それは予め明記しておきたいと思う。
だが、その一方で、西洋の美学、哲学、思想史等に造詣が深い方にとっては実に有意義な一冊となってくれる事は間違いなく、この分野に関心がある方は臆する事無く挑戦して頂きたい。
本書は“美”に対する価値観や概念を大きく変えてくれるであろう。

本書は、西洋の中世に於ける“美”に対する観念を、先人の論説を取り上げながらエーコの視点で分析・解説したものである。
前半は「中世の美的感覚」に始まり、超越的な美、均整の美、象徴や寓意、そして、それらに関する心理学等を読み解き、後半では「芸術学」の分野に及んだ上で、最終章は「スコラ哲学以降」の美学を以って完結している。
キケロやダンテ、或いはトマス・アクィナスからボナヴェントゥラ、更にはジョルダーノ・ブルーノや彼に影響を与えたフィチーノに至るまでを取り上げている事からもお解かりのように、本書は“美”の解釈を巡って、哲学、神学、神秘主義、思想史等を幅広く取り上げているのだ。
多くを原点から引用し、それに対するエーコの解説を加える流れなので、まるで「ウンベルト・エーコの美学講義」を聴講しているような丁寧さがある。
「“美”とは何か」という問題を巡って論議が尽くされて来た歴史を振り返る事が出来ると同時に、だからこそ今、改めて「“美”とは何か」について考えさせてくれる、実に奥の深い著書であった。
本書を読めば“美”の根源から発展に至るまでの歴史の流れを理解出来るのは間違いない。
因みに、芸術学を学ぶ上では必ずと言って良いくらいに突き当たる壁…「美と善」或いは「イデア」の問題についても取り上げているので、大いに参考になるであろう。

但し、何しろ非常に高度な内容なので、決して一般受けする書物では無いと思う。
勿論、美学について本格的に学んでいる方は、本書で扱っている諸説の大半は既に御存知であろうし、それらを解り易く噛み砕いて解説している本書は「基本を押さえた」一冊として必読の名著となってくれる事は間違いない。
然しながら、美学や哲学の分野に初めて触れる…と言う方にとっては、正直言ってかなり難解に感じると思うので、より一般的な美学史や哲学史に目を通してから読んだ方が解り易いと思う。
何を隠そう私自身、僅かに芸術学をかじった程度の知識しか持ち合わせていなかった為、本書を手に取るにはやや背伸びをしてしまった感があり、遥か昔の講義ノートをお浚いしてから読み直そうと思った次第である。

ウンベルト・エーコの著作を読むからには、この程度の内容は当たり前…という方が大半だとは思うものの、初心者・初級者(私自身も含めてなのだが…)が挑戦するにはやや難易度が高いのは明らかであり、その点だけは留意した上で購入を検討して頂きたいと思う。

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