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第I巻(第4回配本)ハテラス船長の航海と冒険
荒原邦博訳(近刊) 予価:5,500円+税 [新訳、完訳]
未知の北極点を目指して突き進む冒険と狂気。イギリスによる北極征服に執念を燃やすジョン・ハテラスは、最新鋭の蒸気船フォワード号を指揮し、目標遂行のためとあらば、いかなる犠牲も顧みない。変幻自在の氷山と満天のオーロラが織り成すスペクタクル、極限の寒さの中の越冬、船員の叛乱、原初の楽園、生命に満ち溢れる凍らない海……。生き残ったわずかな者たちが最後に北極点で目にしたものとは……。初期の傑作、待望の新訳。
第II巻(第1回配本)地球から月へ 月を回って 上も下もなく
石橋正孝訳(17年1月刊) 特大巻:5,800円+税 [新訳、完訳]
第III巻(第5回配本)エクトール・セルヴァダック
石橋正孝訳(近刊) 予価:5,000円+税 [完訳]
ある年の大晦日の夜、アルジェリア駐在のフランス陸軍士官エクトール・セルヴァダックは、従卒のベン= ズフとともに、尋常でない衝撃を受けて気を失う。意識を取り戻した彼らは、西と東が逆転し、一日の長さが半減し、重力が五分の一となり、彼ら以外に誰もいない孤島にいた……。果たしてなにが起きたというのか? アフリカの一部ごと宇宙空間に運び去られた一行の、太陽系ロビンソン漂流記。ヴェルヌの問題作、本邦初の完訳。
第IV巻(第2回配本)蒸気で動く家
荒原邦博・三枝大修訳(17年8月21日刊) 定価:5,200円+税 [新訳、完訳]
北インドの大自然を舞台に繰り広げられる冒険と復讐の物語。セポイの叛乱で捕虜を虐殺し合い、あまつさえ、互いの妻を殺し合った宿敵同士、イギリス陸軍士官エドワード・マンローと叛乱軍の首領ナーナー・サーヒブ。叛乱鎮圧後、憂鬱に沈むマンローを励まそうと、友人たちは鋼鉄の象が牽引する豪華客車を用意、インド横断の旅に出る。闇の中に蠢く叛乱軍の残党たち、正気を失い、松明を持って密林を彷徨する謎の女性「さまよえる炎」……。旅路の果てに遂に再会した敵同士の運命やいかに。「ヴェルヌのもっとも奇妙な小説」(ジュリアン・グラック)、本邦初の完訳。
第V巻(第3回配本)カルパチアの城 ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密
新島進訳(18年10月末刊行) 定価4,200円+税 [新訳、初訳]
東欧を舞台にしたヴェルヌ後期の幻想譚二篇を合冊。両作ともに、天才的科学者に補佐されたストーカー的独身者が暗躍する奇怪な物語。ヴェルヌ流ゴシック小説『カルパチアの城』では、死んだ歌姫が、吸血鬼伝説の本場トランシルヴァニアの城に姿を現わす。新訳。他方、『ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』は、H・G・ウェルズの向こうを張ってヴェルヌが書いた透明人間もの。本邦初訳の知られざる傑作。