|
1979年からTBSで放送されていた学園ドラマ『桜中学シリーズ』のメインとなる作品。東京都の区立桜中学校[注 2](第3シリーズとスペシャル7・8のみ区立松ヶ崎中学校。いずれも架空)を舞台に、中学校の教員である坂本金八が、学級担任をしている3年B組内に起こる様々な問題を体当たりで解決していく。そんな彼の姿に心を打たれた生徒たちが考えを改め、人間として成長していく様子を描く。
歴代の作品は中学3年時、特に本放送時と同じ時期である2学期中盤[注 3]から卒業時までを取り上げてきた。その中で高校受験、学習発表会での演劇や文化祭での合唱コンクール、ソーラン節の他、中学校での学校行事も取り上げているが、修学旅行と体育祭は作中において一度も取り上げられなかった。その一方、撮影開始前に名前を覚え、交流を深めるためのホームルーム合宿は行われていた。
オープニングは毎回俯瞰のアングルで映っている坂本金八が「3年B組ー!」と叫んだ後、出演している生徒たちが「金八先生ー!」と叫びながら金八の周りに駆け寄り、全員で金八を胴上げするといった演出をとっている。また、タイトルバックもシリーズ毎に異なるが、幼稚園児、柔道部やボート部の生徒、ジョギングをしている外国人女性に金八が挨拶する場面は定番として登場した。第1シリーズから32年間、一切これらの演出は改変されなかったため、番組終了後の現在でもパロディにされることが多い。オープニング以外では、金八の授業場面(漢字の成り立ちを説明するシーン)や第2シリーズ(腐ったミカンの台詞や深刻な場面で中島みゆきの「世情」が流れる等)がパロディでよく使われている。
制作主人公の第一候補に谷村新司にオファーが行き、次に岸田智史にオファーが行った。岸田は「きみの朝」のヒットによりコンサート活動などで多忙となったため、急遽武田鉄矢が出演することが決定。以後30年以上も主演を担当したため、武田の代表作のひとつとなった。岸田は次番組『1年B組新八先生』の新田八郎太で出演することとなり、第1シリーズの最終回に新人教師の紹介として出演している。なお、岸田は近年のインタビューで金八は武田だからこそ長寿番組になったのだと語っている。なお、岸田が主演に内定してた時点で主題歌の『贈る言葉』は完成していたとのこと。
舞台が中学校になった理由について柳井は「1978年に他局で高校ドラマを色々とやっており、『熱中時代』は小学校を舞台にしていたため、結果消去法で中学校にした」と述べている[3]。
主人公の坂本金八の名は、武田が尊敬しているという坂本龍馬と初期の放送枠であった「金曜夜八時」からきている。柳井によると、当時裏番組で『太陽にほえろ!』や『ワールドプロレスリング』が放送されており、この強力な裏番組のために放送された番組がことごとく低視聴率に終わったため、1979年初夏に編成部で「金八[注 4]をどうにかしろ」という合言葉が広がっていたことが発端である[4]。なお、番組上の設定では8人兄弟の8番目だからということになっている[5]。
企画段階では苗字が「坂本」ではなく「阪本」で、さらに英語担当の教員という設定だった。英語の筆記体が書かれた黒板をバックに、右手でチョークを持ちながら人差し指を指す金八を写したスチル写真がTBSに残されている[6]。武田本人によれば「編成と制作の間で行き違いがあって編成は英語教師と思い込んでいた」という[7]。
生徒役は、第1・第2シリーズでは、制作側から指名した役者[注 5]のほか、芸能事務所や児童劇団からの推薦を受けた子役が出演していたが[注 6]、第3シリーズからプロダクションや劇団に所属する役者の中からオーディションで選抜された[注 7]。第4シリーズでは天野ひろゆきと松村邦洋が生徒役オーディションを受けている。特に「金八」人気が再燃した第5シリーズ以降、生徒役を目指す役者が多く集まり、第6シリーズ以降でのオーディション倍率は40 - 43倍となった[注 8][注 9]。「金八先生」の生徒役を演じた役者が、この作品を出世作として、現在も著名人として活躍しているケースは多く、警察沙汰になって有名になった者もいる。
桜中学校の撮影には、主に足立区立第二中学校(東京未来大学)が使用されていた。しかし第1シリーズ中盤より、話題が妊娠など過激であったため第二中学校側が撮影に難色を示したことから[8]、続編となる第2シリーズでは葛飾区立葛飾小学校、第4シリーズでは足立区立江南中学校が使用された。第5シリーズからは再び第二中学校が使用されていたが、第二中学校は同区立第十六中学校とともに2005年3月31日をもって足立区立千寿桜堤中学校に統合され、廃校となった[注 10]。このため、第8シリーズでは足立区立鹿浜中学校が、ファイナル『最後の贈る言葉』は旧足立区立新田小学校[9]がロケ地になった。第3シリーズでは、東京都立葛飾野高等学校が松ヶ崎中学校として使用されていた。その他、神奈川県立田奈高等学校や東京都立晴海総合高等学校の他、スーパーさくらは「田中屋スーパーZ-ONE東町店」(建替え前は「ニューマートごとう」)を使用していた。
製作本数はスペシャルを含め185本。金八が定年となるのを理由に[注 11]、2011年3月27日放送のファイナルをもって物語の幕を閉じた。番組終了後は、赤坂サカスの「夏サカス2011〜笑顔の扉〜」イベントで3年B組の教室が再現され『金八』の歴史が展示されたほか、2012年1月、ユーキャンのCMで金八が出演している。ただし、教壇の名簿の生徒名はドラマのごくせん(白金3年D組)の人物になっていた。断続的ではあったが、放送期間32年間という歴史が物語るように、『水戸黄門』や『渡る世間は鬼ばかり』とともに、TBSを代表するドラマ作品となった。
ストーリーストーリーの主要部は1時間枠の連続ドラマとして放送され、第1シリーズから第8シリーズまでのレギュラー放送があった。このほか、連続ドラマの各シリーズ間に挿入される形で、単発のスペシャルドラマが12作品放送された。
各シリーズは週1回で放送され、期間は10月開始の翌年3月終了の原則2クール(半年)だが、第3シリーズのみ12月終了の1クール(3か月)となっている。シリーズ開始当初、民放のテレビドラマは2~4クールの放送が一般的であったが、テレビドラマの1クールが定着した1990年代以降[注 12]は異色の存在となっていった。
ドラマで扱われるテーマには時勢も反映され、教育現場においての時代に応じた課題が扱われることも多かった。
登場人物生徒とその家族・親戚については他クラス生徒も含めて「3年B組金八先生の生徒一覧」を参照のこと。坂本家と親族関係でない限りは基本的に名字で記載する事。兄弟姉妹や保護者は基本的に記載しないが、複数作に渡り出演している者に限り記載する。
キャスト横の()欄の出演した作品については劇中では地域住民との交流を活発に行っている様子が度々見られ、第5~7シリーズでは空き教室にデイサービスセンターが開設している。その一方で宮沢と浅井(1)、加藤と松浦(2)、兼末(5)、丸山(7)が起こした騒動や事件が原因で学校選択制が導入されて以降は生徒数が減少傾向にあり、ファイナルでも父兄の間では「伝統的に問題児の多い学校」という認識が広まっている。
金八と乾は喫煙者だが、第6シリーズ以降は健康増進法が制定され、校内禁煙化の煽りで桜中も全面禁煙となり[26]、同シリーズ第22回にて千田が教育長室で喫煙したシーンを最後に、喫煙シーンがなくなった。
乾 友彦[注 29]演 - 森田順平[27](3・SP7・8を除く全作品、同直F、貫)金八の盟友で一番の理解者。数学担当。年齢は第7シリーズの時点で50歳。普段は車で通勤しており、同僚や生徒の送り迎えをすることもしばしばあるが、SP5では廊下で転び捻挫したため、杖を突きながら電車で通勤していた。第4シリーズでは学年主任、第5シリーズから第7シリーズまで3年A組担任で、第8シリーズでは担任を外れ再び学年主任を担当するが、後半では週刊誌問題から金八を守るために3年B組担任を外された金八に代わり、3年B組担任となる。松ヶ崎中学校が舞台になった第3シリーズ以外には全作出演しており、全編を通じて金八の次に登場回数が多い。何度か桜中学校を離れている金八に対し、彼は第1シリーズから一貫して桜中学校に在籍している。基本的にクールな性格だが、その生真面目さが災いしてトラブルに発展することも多く、九十九らに殴られる[28]、中井の命令により山本に高級靴を雨天の校庭に放り出されるなどトラブルも絶えなかった他、授業放棄もしたが、これについては左右田と国井と君塚から叱責された。また、加藤優の学力を測る為の特別授業を放棄しており、これも君塚から「差別はいけません」と叱責され、田沢が「中学生の基礎位なら」と言って行おうとしたが君塚が担当した。初期シリーズで、趣味は帆船モデル製作と音楽鑑賞となっているが、第4シリーズ以降では趣味については描かれていない。第4シリーズ以降の数学の授業は2人体制でじっくりコースと頑張りコースに分かれている。あだ名は「カンカン」。理由は乾が「カン」とも読める他、短気で怒りっぽい、上野動物園のパンダみたいに発情している事から付けられた。第2シリーズで金八は「愛嬌があっていいニックネーム」と言っているが、自身は「パンダじゃあるまいし不愉快」と怒っていた[29]。しかし、第4シリーズでは田沢に電話越で自ら「乾です。数学のカンカンです」と言い[30]、第6シリーズでは「結構気に入っている」と千田に対して語ってもいる。しかし、第7シリーズ以降は、あだ名で呼ばれてはいない。逆に第8シリーズでは生徒をあだ名で呼ぶようになった。初期はことあるごとに金八と対立し、生徒を低能やサル呼ばわりし、数学の成績悪い10名を「ピーマン10」と晒したり[31]、わざと落とし穴的問題を試験に出題したり[32]、残業を嫌って早々に帰宅するなど、傲慢な言動が目立つ他、九十九に「損得感情で授業してる」と批判をうけ殴られる、金八に教師になった理由を「安定株だから」などと答えていたが、第8シリーズでは川瀬が教師になりたいという発言で補習を行う。SP4・5は体罰教師の河田に賛同していたが、星野は「今はカンカンの方が物分かりが良い」と言っており、SP6の宮沢の結婚式をきっかけに金八の一番の理解者となった。第4シリーズから性格が丸くなり、SP10では金八と共に生涯ヒラとして過ごす決意をする。また、「ツッパリ山田麗子や腐ったみかんの加藤・松浦らとやりあってた頃が懐かしい」と発言したり[33]、授業にギャンブル要素を取り入れたりもしている[注 30][注 31]。成迫政之も知っており「立派な教師」と評価している。第7シリーズの丸山の覚醒剤問題では、服部の所に相談に行ったりしながら、辞表を提出する金八を必死に説得した[34]。SP10終了後、小椋と結婚し、自宅で長男・英彦を出産したあとの3年B組の授業では生徒から祝福され感動している姿があった[35]。第8シリーズでは新しく娘・メグミがおり[36]、現在は3人の子[注 32]を持つ父でもある。娘が2人いるため乙女のことが他人事ではなくなり、第8シリーズでは居酒屋で湯山のことを相談する金八に対し、「乙女は湯山に騙されている」などと必要以上に感情的になったこともあった。国語力低下について嘆いており[注 33]、第5シリーズの「朝の読書」には賛成していた。国井 美代子演 - 茅島成美(3・8・SP7・8を除く全作品、同F、仙)第4シリーズまでは理科を担当し、SP9より教頭に就任した。初期のシリーズでは、生真面目すぎる性格とヒステリックな言動で、乾と同様に生徒とのトラブルも多かった。第2シリーズの5年前、3年A組の担任だった際、冬休み明けに金髪の生徒を叱り付けすぎ、暴走族に乗り込まれるという事件に巻き込まれた為、不良生徒に対し極端な拒否反応を見せるようになった[注 34]。一方で、山本に内職を注意している最中、加藤に「漫画読んでたわけじゃなく学校の本を読んでいたんだから、あんましケツの穴の小さいこといいなさんな、オバハン」と言われた時だけは、何も言い返せずに職員室に引っ込んでいる[29]。病気療養中のSP4では辞表を提出した金八に辞表撤回を訴え、「金八辞表撤回嘆願書」にサインをした。この事件からSP6にかけて徐々に金八の理解者となっていった。第4シリーズでは、3年A組の担任とともに主幹教諭兼務となったため、立場上石川に同調して金八を批判することも多かったが、以前よりは容姿も含めて多少丸くなり、長い付き合いの金八の手腕を高く買っていて信頼を寄せている。岩崎が卒業生全員を覚えてる事を感心するが、「卒業生全員は覚えてないけど、加藤優は特別な生徒だから覚えている」と言っている[37]。千田校長時代は、校長と教職員との対立の板挟みに遭い悩む姿が多かった。定年間近になっても校長昇進の夢が諦めきれなかったが、ついに叶わなかった[注 35]。また桜中学への愛校心も強く、荒谷二中との統廃合の話が持ち上がった際には反対しており、大西の遺影の前で「桜中がなくなったら歴代の校長先生方に申し訳ない」と涙を流したこともある[38]。乾と同様、第1シリーズより一貫して桜中学勤務だったが、SP11を最後に勇退。 ファイナルでは乙女の結婚披露宴に参加。道政の差入れも、渡辺が「校内で食べると煩いのが居る」と断っている所に「校門の外で食べれば問題無い」と受け入れている。千田の病気療養から板橋が就任するまでの間は校長代理として桜中を取り仕切った他、第6シリーズでは書店で研修中の遠藤に代わり、理科の教鞭を執った。板橋が校長として赴任してきた当初は彼女に嫉妬しきつい態度を取っていたが、丸山が逮捕されて以降は彼女をサポートする立場となった。服部 肇演 - 上條恒彦(1 - 2・4 - 7、SP1・2・9・10、同F、新)社会科担当。第1シリーズ3年A組担任で学年主任、第2シリーズは2年担当。野球部顧問。桜中時代のアダ名は「髭ダルマ」で、授業中の内職は大目に見ていた。当初「愛の授業」には否定的だったが、結局は自らの体験も交えた授業を男子生徒に対し行った。問題に体当たりでぶつかる金八の教育への情熱を認め、先輩教師として暖かく見守り、今でも金八の良き相談相手。第4シリーズは梅園中学オープン学級、SP9以降は公立フリースクール「風」園長になっている。不登校の友達の面倒を見るために、幸作も出入りしている。風では「肇さん」と呼ばれている。SP9ではオヤジ狩りに遭った金八を即日退院させるよう院長に直談判し、車で池内家に送り届けるなど、力強い一面を見せた。髭がトレードマーク。第5シリーズでは荒くれ3人衆や中野のリハビリに付き合い、SP10では乙女の依頼で一緒に合格発表を見に行った。また、第6シリーズでは兼末雄一郎とともに成迫を応援し、第7シリーズでは丸山の覚醒剤問題で悩む金八の相談に乗った。ファイナルでは乙女の結婚披露宴に出席している。田沢 悦子演 - 名取裕子(1・2・4、SP1 - 3・9、F)美術担当。マドンナ的存在で、天路と結婚するまで金八と乾の他、沢村も想いを寄せていた。池内友子の従妹で、第1・2シリーズでは金八と共に池内商店に住む。SP3を最後に退職し、個展を開くなどしながら画家として活動していたが、第4シリーズで金八と再会を果たす。SP9では自殺しようとしていた佐藤良美を捜索するなど、オヤジ狩り事件解決後の金八を助けた。SP2では血液型がB型であることが明らかになる。ファイナルではスケジュールの都合で結婚式には出られなかったが、後に金八と会い、絵をプレゼントした。桜中勤務時は授業中の内職は黙認していたが、その分卒業製作に打ち込む様に指導していた。池内 友子演 - 吉行和子(1・2・4・5 - 7、SP1 - 3・6・9・10、同F)家庭科担当で離婚歴のあるシングルマザー。自宅は雑貨屋「池内商店」で、独身時代の金八を下宿させた[注 36]。穏やかな性格で服部らと金八を暖かく見守る。基本的に穏やかな性格だが、越智が自殺騒動を起こした時など時には生徒を殴る厳しさもある。第2シリーズでは3年D組担任。一郎が生徒の時は心配もしている。SPでは中学生になった息子にハラハラさせられていた。第4シリーズでは宮沢歩を一晩宿泊させ、また、第6シリーズでは、成迫政則を自宅に下宿させ、保護者代理として世話をする。成迫正之とはかつては職場の同僚だった。第7シリーズでは子供からの電話相談を受ける「あだちチャイルドライン」勤務、丸山しゅうと対話している。ファイナルでは乙女の結婚披露宴に出席。北 尚明演 - 金田明夫(4 - 8、SP9 - 11、同直F)SP11までは社会科を担当し、第8シリーズより副校長に就任した。職員室のムードメーカー。生徒の間では「北風小僧」「カン太郎」と呼ばれている。現実主義者であるため、金八の大胆なやり方に苦言を呈し、普段は金八を信頼する他の教師とは一歩引いた立場にいる。しかし、影ではその教育手腕を認めていて、時には熱い言動で金八を擁護することもある。第4シリーズでは生活指導主任兼務。異動直後から問題ばかり起こす3年B組と金八に対して、石川や国井と共に批判的であったが、徐々に理解を示す言動も増え、卒業直前のインドカレーの特別授業では自ら感動し涙ぐむ場面も。第5シリーズでは優秀な兄に引け目を感じコギャルになってしまった娘・瑠美が心配で、授業がおろそかになったこともある[注 37]。娘を探すために渋谷でギャルに片っ端から声をかける場面を生徒に目撃され淫行ではないかと疑われるが、金八の提案で生徒たちの前で涙ながらに真相を語ったことで生徒たちの誤解を解くことができた。また、第7シリーズでは歴史の年号の覚え方の新しい語呂合わせを生徒から教えて貰い感心している。金八が3年B組担任になったことで3年C組に回ってきた幸作は半年しか担任をしていなかったが、彼が高校入試で合格した際には抱き合って喜んだり、第6シリーズ最終回で坂本家を訪問した際には彼と抱擁したり、第8シリーズで桜中に教育実習にやってきた際にも2人で喜んだり、ファイナルでは乙女の結婚式で彼と再会し喜び合うなど、幸作を自分の教え子として誇りに思っている模様。第6シリーズでは、義母の病気などの家庭問題を抱えていたため、千田が敵視する金八の味方をして他校に異動させられるのを恐れ、千田に同調することもたびたびあった。しかし内心は葛藤を抱えていて、金八の味方をする他の教師に同調できないことを涙ながらに金八に詫びた。さらにその後の卒業式で金八の異動が発覚して、式を中断して行った緊急会議では「人間を作る、坂本先生に賛成です」と千田を前に毅然と発言し、彼を裏切った。 第7シリーズでは、丸山が覚せい剤で逮捕された責任を感じ辞表を出した金八に、目を潤ませながら辞表撤回を訴えた[39]。「廊下は走らない!!」が口癖。学生時代は陸上部に所属[注 38]。第6・7シリーズでは少しでも良い印象を与えるために千田にゴマをすったりして腰巾着的な立ち位置だった。第4 - 7シリーズは3年C組担任だったが、第7シリーズの千田の療養期間は自称「教頭代理」として口うるさい言動が多くなった。第8シリーズで副校長に就任して以降は鹿島田にゴマをすったり、学校の評判を気にするなど管理職として言動が多くなったが、その後も金八の手腕は認めている。本田 知美演 - 高畑淳子(4 - 8、SP9 - 11、同F)養護教諭。優しくサバサバした性格で生徒からの信頼も厚い。金八の良き理解者で相談に乗ることも多く、様々な問題に金八と二人三脚で立ち向かうが、第4シリーズでは息子の件で感情的になった石川に同情した他[40]、第8シリーズでは喧嘩の多い3年B組に対して呆れていた。また、遊び半分で性行為をしようとする生徒に対しては厳しい態度で接する。天路とも面識があり、第1シリーズの「愛の授業」の事も知っている。復活した「愛の授業」では、自身の性体験の話を生徒に聞かせ、「過激な性教育」を行った[41]。第8シリーズでは、生徒数減少による桜中学の存続の危機をどうするかの教員会議で、金八が生徒を大事にしなければ教育ではないといった持論を展開していったことに対し、「坂本先生の言っていることは理解できますが、このまま生徒数が減少するのであれば、3年B組がなくなってしまうのも事実です」といって桜中学存続のため何でもやると宣言した。その後、第8シリーズ後半で生徒数が増加したことで「3年B組がなくならなくてよかったですね、坂本先生」とコメントしている。また、立花が「カオリン」と呼ばれているのを聞いて、「トモリンって呼ばれたい」という発言をしていたが、金八は「ホンちゃんって感じ」と突っ込まれていた[42]。遠藤 達也演 - 山崎銀之丞(5 - 8、SP10・11、同・語り手、F)理科担当。福岡県出身。登場当初は無気力教師だったが、文化祭のソーラン節指導をきっかけに暴走気味の熱血教師に変貌。単純かつ喧嘩っ早い性格。今では本屋への出向や「夜回り隊」など校外で活動的に動く。空手部顧問(5)→スポチャン同好会顧問(7)であり、「ブルース・リー」(5)・「エンちゃん」(6以降)と呼ばれることもある。第8シリーズを除く卒業式ではトラブル[注 39]に見舞われる「お約束」が存在する。普段は単純な性格だが今井の部屋を掃除したほか、押し掛けてきたチンピラを空手で撃退し、家宅捜索に入った刑事のやり方を非難するなど男気を見せたこともある。幸作によると、解剖が大好き。乙女は「変な先生」と発言している。卒業式で金八の異動が発覚した際には兼末ら卒業生の先頭に立って千田に抗議をした。3年B組がソーラン節を踊る際には毎回指導しているが、第5シリーズでは無茶な指導が原因で心臓に持病のある山田が倒れてしまったり、第7シリーズでは半纏を下駄箱に突っ込んだ生徒を注意しに来た田中の「どアホ」発言にキレて取っ組み合いの喧嘩に発展するなど熱くなりすぎるあまりトラブルになることが多い。運転免許を持っていない為、車の知識は疎く、バイオディーゼルの実習では小田切のバイクを使用しようとして小田切に止められ、「本当に理科教師?」と言われてしまう。ソーラン節の件で坂本家を訪問した際、夕食をご馳走になり乙女に一目惚れする。北に一日中「素敵なお嬢さん」と話しており、北は「ロリコン」と言っており、心を奪われた様子と言っている。翌日、乙女に薔薇の生地をプレゼントするが、乙女は嬉しくないと言ったので金八がマフラーにし、山田にあげてしまう。以後、坂本家によく入り浸っているうえ、金八のことを勝手に「お義父さん」と呼び、幸作を自分の弟のように可愛がっているが、教育実習に来た幸作の担当をした際は「湯山のことを話さなかったら点数を下げる」と脅した。杉山や青木とは口論になったこともあるが、杉山とは一緒に夜回り隊に参加している。入院中の幸作へのお見舞い品は飲食物も花もダメということで小児癌に関する本を贈っている。第8シリーズでは、3年A組担任[注 40]とともに主幹教諭に就任。生活指導主任という立場上、校則のあり方で金八とよく衝突を起こしたり、権力をかさに高圧的な態度もとることが多く、これまでのシリーズにおけるコミカルさは徐々に少なくなっているが、徐々に生真面目な部分を残しつつコミカルさも見られるようになり、3年B組の生徒が自分のクラスの生徒の自殺を阻止した際には話を詳しく聞かずにヒーロー扱いしたこともある。鹿島田や北と同様金八の手腕は認めており、有名高校の合格者が自分のクラスからは1人しか出なかった際には教師としての自信を無くし、金八の元に相談に訪れた他、自身の軽率な発言が原因で金八が3年B組の担任を外されてしまった際には責任を感じて髪を切って坊主頭したこともある。ファイナルでは荒谷二中に異動し教頭に就任しているが、金八のために桜中学へ駆け付け、景浦の補習を担当した。小田切、矢沢、木村は女子生徒からバレンタインチョコをもらえるのに対し、彼はもらえない[注 41]。左右田演 - 財津一郎(1、SP9、F)英語担当。3年C組の担任を務め、授業放棄した乾を叱責した事もある。何事にも大袈裟で奇声を発するなど桜中学教員のボケ役。金八を「ゴールドエイト」・「ゴールデンエイト」と呼ぶことがあった。焼酎を牛乳割りで飲むのを好む。「愛の授業」では男性教員ながら女生徒に授業を行った。SP9では地域教育協議会に参加している。息子・洋を中学1年生で亡くし[注 42]、その後妻と別れて長らく独り身だったが、ファイナルでは乙女の結婚式に出席し、フィンランドの学校講師をしており現地の人と再婚したことを発表した。遠藤 伊知子演 - 宇田川智子(1)保健体育担当。伊東演 - 福田勝洋(1・2・5・6・9、SP1 - 3、同)保健体育担当。3年B組女子のディスコ事件で、華麗なステップを披露する[43]。体育大学時代は応援団で、金八に長ランを貸す。SP5・6では別の中学校へ転勤するが、川村とともに金八を援護する。SP9で桜中学へ復帰。川村演 - 三木弘子(1・2・5・6、SP1 - 3、新・仙)学校用務員(用務主任)。第1シリーズでは、3年B組の中で最後まで進路が決まらなかった中尾友行のために、都立2次試験まで毎日お百度参りした[44]。渡辺演 - 嶽道優子(1)、渡辺三枝子(2)音楽担当。上林演 - 川津祐介(2、SP2、貫)英語担当。第2シリーズの3年A組担任で学年主任。物静かで筋の通った人物で、親は住職な為、朝の学活は座禅を行っている。かつて荒谷二中で教鞭をとっていた経験があり、当時受け持っていた岸森ら不良たちからも信望があり彼を応援団長に仕立て上げた他、音羽とも面識がある。加藤の問題には卒業生とのパイプ役となるなど金八と共に奔走する。あだ名は「宇宙人」。給食時間帯以外で職員室での教師同士の飲食については生徒に悪影響があると批判している。入試直前に風邪をひく。石津演 - 平沢公太郎(2)事務職員(主任)。森村演 - 南果歩(SP4 - 6)国井の病気療養をきっかけに桜中に赴任した理科教師で、物分かりの良い性格。金八を尊敬しており、SP4では辞職覚悟で臨んだ金八最後の特別授業を見て感動する。国井の退院後も桜中で教鞭を執り続け、SP5では乙女や幸作を坂本家に送り届けて食事の世話もしている他、SP6では宮沢の結婚式に参加した。河田演 - 加藤善博(SP4 - 6)保健体育担当。生活指導主任でもあり、すぐに生徒の頭を竹刀でたたく暴力教師だが、自分なりに生徒のことを考えており、SP5では生徒の前で金八と教育論を闘わせたが敗北。SP6で乾と野村が金八の派閥となった中で唯一、本田派に留まった。佐々木演 - 大方斐紗子(SP4)英語担当。広瀬演 - 室井滋(SP6)養護担当。やや軽率で無責任な所があり、天路に注意される。同じ室井が演じている田原麻知とは正反対。八木 宏美演 - 城之内ミサ(4 - 7、SP11)音楽担当。文化祭と卒業式(最終回)のみの出演。第4シリーズ『涙の大合唱』では、熱血の生徒指導を展開。第5シリーズ『生きる事・死ぬ事』では、大西の葬儀で桜中学校歌の指揮者を担当した。阿部 一智演 - 前田淳(4)数学TT兼3-A副担任。菅久美子に好意を持たれ、菅が日記に「元旦に阿部と亀戸天神でデートした」と書いた為に騒動が起きるが、年末年始は友人と安比高原スキー場に行っており、そこで撮影した日付入りの写真提出、友人も呼んでアリバイ証言してもらう。スキーやキャンプなどのアウトドアが趣味。スポチャン同好会の顧問を務めるが、1・2年の参加を断った者が居た事には金八から叱責される。2時募集合格に向けて杉山と坂田の補習も行う。前田吟は実父であるが、役上は無関係。岩崎 恵演 - 児島未散(4、SP9)英語担当。SP9では幸作の在籍する1-Bの担任教師となった。阿部と共に3Bの肩を持ち協力的。タコ焼きお守りや旗製作時には数名の生徒が抜け出した事で石川から大目玉を食らった他、北郷の下品な発言に頭を叩いた事がある。国井が卒業生を覚えていることにも感心する。対応が丁寧すぎると伊藤に言われてしまう。三宅 範正演 - 平山陽祐(4・6)保健体育担当。後に安井病院の院内学級の講師となる。問題ばかり起こす3年B組と金八に対して批判的な態度を取ることもあるが、金八の手腕は評価している。竹刀を持ち歩いているが、普段は職員室で素振りをしており、生徒に体罰を加えるために持ち歩いているのではない。カラオケについてはストレス発散に良いと奨励している。学校を抜け出し、スーパーさくらにパンツを買いに行った時に学校抜けだした大畑と桜木を見つけ連れ戻した。加藤優に「校庭は駐車場じゃないから車は正規の駐車場に止めろ」と注意するが、「うるせえなこの分からず屋」と一蹴され、乾が仲裁に入り、「何年経っても融通の効かない先生が居る」と言われている。中野 明演 - ラサール石井(5)国語担当。元楓中学勤務で、生徒に対する締め付けが強く、贔屓や差別があり、言うことを聞かない生徒には体罰も辞さないため、初期の乾同様「損得感情で授業している」と批判された。大半の生徒は1年から受け持っているが、SPには描写がない。太田や落合が騒いでいても叱らないのに深川や日野らには些細な事で叱りつけていた事から、幸作も含め大半の生徒と小田切からあまり良く思われていなかった[注 43]。そのことが原因で兼末らに暴行を受け、救急搬送されてしまう。さらに静養中に兼末の命令により市村(葬式花とは知らない送ってしまったが、知っていたら送らずに不登校を選んでたと発言)に造花を贈られたことに当初は喜んでいたものの、妻から葬式花と告げられてショックのあまり泣き崩れ、叫び声をあげてしまう。さらに、酒をイッキ飲みした上精神安定剤を多量服用してしまい、再び救急搬送されてしまう。だが、幸いにも妻が早い段階で119番通報したことで一命を取り留め、金八の勧めでフリースクール「風」の手伝いをすることで心を癒し、生徒には桜中学の時とは全く違い、明るく優しく接する。さらに反省した市村が、後には兼末自身が謝罪に出向いたことで復帰を決意。直後に3年B組の生徒全員からがかつての暴挙を謝罪されたことで、自身も横柄な態度やランク付けを詫び生徒達と和解する。卒業式では3年B組担任として生徒の名前を読み上げる金八の隣で生徒を見守っていた。第6シリーズ以降の登場は無く状況は不明(第6シリーズでは兼末が中野への暴行を自責する描写がある)。柔道の学生チャンピオンであった。妻・節子(深浦加奈子)曰く、やや常識知らずな面があるとのこと。遠藤は、風で荒くれ3人衆と喧嘩してしまうと予想していたが、トラブルはなかった。小田切 誠演 - 深江卓次(5 - 7、SP10・11、同)英語担当。バイクで通勤する熱血教師。通称「GTO」(5・6)[注 44]・「ギリ様」(7)。女子生徒に人気。第7シリーズでは遠藤・シルビアと「夜回り隊」の一員になる。バイクに乗りたい生徒がいれば乗せるなどしている他、市村の件では毎日彼を乗せてツーリングしており、市村がレーサーになりたいと言い出す。その後騒動が起き、国井に「バイク通勤禁止」と命令されたが、バイク通勤は止めなかった[45]。風に初訪問した際はカルチャーショックを受け、感動している。SP10では「問題児は可愛い」と第5シリーズの生徒に対して言っており、その直後、桜田を佐伯と間違えた。朝の10分間読書には当初反対していたが、第6シリーズでは「朝読書のおかげで教室がざわつかなくなった」と言っている。男女別名簿の復活に関しては、男女同権の精神を阻害するという信念から、作り替えなかった[46]。渡辺 花子演 - 小西美帆(5 - 7、SP10・11、同)家庭科担当。バレー部の顧問をしている。生徒に人気の新任教師として、第5シリーズから登場。第6シリーズでは2年A組担任、終了後に小林昌義と結婚。第7シリーズでは、2年B組[注 45]を受け持ち、生徒からは慕われていたものの、学級崩壊に近い状態で産休・育児休暇に入ってしまう。復帰直前に育児ノイローゼになり、休暇延長となった為、復帰はシリーズ後半となった。第5シリーズでは新任であるため失敗することが多く、授業中に生徒(戸田、日野、比留間の3人)が悪戯でプロジェクターに女性のヌード画像を出した際には生徒を放置して真っ先に教室を飛び出し、その事で金八から叱責を受けることになったが、第6シリーズでは千田に堂々と意見を言うといった面も見られるようになる。小林 昌義演 - 黒川恭佑(6・7、同)非常勤の数学教師。第6シリーズで笠井に好意を持たれ、小林の下駄箱に手紙を入れるなど、付きまとわれたことから騒動に発展した際には、千田に「犯人扱いするんじゃねえ!」と怒鳴り散らして掴みかかるほど感情的になったこともある。放送終了後、渡辺と結婚する。第7シリーズでは楓中学校に常勤教諭として赴任。その後も楓中や妻の愚痴を言いに金八のもとを度々訪れている。ジュリア・ローソン演 - サリマタ・ビビ・バ(6)英語実習助手。歌を唄うことが得意[47]。日本語は片言である。シルビア・マンデラ演 - マリエム・マサリ(7、SP11)英語実習助手。セネガル出身[48]。走りが早く、第7シリーズで地域におきていたある事件を解決するきっかけを作る[49]。ジュリアと比べ、日本語は流暢である。矢沢 亮演 - 山田純大(8、F)英語担当。初期の乾と似通った性格で現実主義者ではあるが、景浦の補修に付き合うなど金八の教育方針に多少は理解を示しており、生徒からは慕われている。授業に対する姿勢においてはプロ意識を持っており、桜中学の英語レベルを上げてきた功績[注 46]は鹿島田からも評価されている。思っていることはすぐに口走る上、会話をしていてもすぐに英語で話をする癖がある。そのため金八から「あなた、ここは日本の学校なんですから、日本語で話しかけてくださいよ」と言われている[注 47]。琉球大学出身で、柔術の心得もあり、暴れる景浦を抑え込んでいる。父親を想う茅ヶ崎のスピーチに涙したり、北山の母親が息子や夫と別れ、別の男性と暮らすようになった話を聞いた際には「そんな母親と暮らす必要はない、施設に入れられた方がまだマシだ」などと必要以上に感情的になるなど、自身も両親と複雑な親子関係があったことを暗に匂わせている[注 48]。茅ヶ崎のスピーチを聞いてからは、彼に父親への手紙を書く時には相談に来るように告げたり、入試前にはエールを送るなど彼のことを気にかけている。川口 董子演 - 明星真由美(8、F)社会科担当。やや口が軽いため、鹿島田から釘を刺されている。保育園に通う子供を持つ母親でもあるため、子供が体調を崩したときは仕事を休んだり早退したりしている[注 49]。このことから教育熱心とは言えない一面もあり、彼女が不在の際の代役は元社会科担当である北が行っている。竹刀を持ち歩き、質問に答えられないとペナルティを課している(「覚えるまでその項目をノートに書く」「校庭を3周走る」など[注 50])。子育ても忙しいが、熱心に頑張ろうとする生徒の熱意に負け、川瀬や景浦の補習を行うなど協力的な面もうかがえる。立花 かおり演 - 藤澤恵麻(8、F)新任美術教師。一部の生徒からは「カオリン」と呼ばれて親しまれている。東京都教育委員会主催の教育美術展への風景画の出展をめぐっては長谷川の絵は玄人が書いた絵だと見抜いたが、黙っていた。保護者から理不尽なクレームをつけられ悪い評判を広められるが[注 51]、金八の助言もあり教師としての自信を取り戻す。目標は「教師だけど生徒目線」。木村 正演 - 瀬川亮(8、F)保健体育担当で、サッカー部顧問。鹿島田が招いた関口による理不尽な指導の影響でサッカー部の1・2年生が退部するという事態に追い込まれる[50]。表立って反対もしないタイプであるが、北が強引に持ち物検査を実施した際には矢沢、川口と共に彼を非難していた。香坂 保演 - 加藤虎ノ介(F)理科担当。生徒を見下す態度を取り、たとえテストで高得点を取っても自身のやり方に従わない生徒には良い成績をつけないため、多くの生徒から嫌われている。黒板に「香坂死ね。地獄に落ちろ」と書かれた際に真っ先に景浦を犯人扱いし、真犯人の関と宮崎が名乗り出ても景浦に謝罪しなかった挙句、宮崎を電流実験の実験台にしようとするなど非常に陰険な性格。そのことで景浦に暴行され、金八が景浦を桜中に復帰させたいと言い出した時には他の教師が賛成する中最後まで反対した。しかし結局は景浦の受験勉強の頑張りを認め、入試用の予想問題を作り手渡した。君塚 美弥子演 - 赤木春恵(1・2・4・7、SP1 - 6・9、F、新・仙・貫)当時は珍しい女性校長。喫煙者[注 52]。時折事件に巻き込まれる金八の理解者であり、第2シリーズでは『卒業式前の暴力』で金八や自治会の面々と共に警察との折衝に当たり、警察側にいたかつての教え子である滝田の問題行動に目をつぶった、という過去を持ち出しての文字通りの「捨て身の説得」によって、逮捕された加藤や松浦らを注意のみで即日放免させている。神風特別攻撃隊の一員として戦死した兄がおり、同シリーズの学習発表会では劇「雪の夜ばなし」を成功させた後、特攻服を着て登壇した3B生徒とそれを持て囃した他の生徒らに対し、壇上から涙ながらに苦言を呈したこともある[注 53]。兄の件もあり、九十九が自衛隊に入隊することを反対していた。専門教科は数学で、第2シリーズで加藤の学力を計る特別授業の際、拒否した乾に代わり担当した。定年退職直後のSP4では教育110番のテレホンオペレター勤務で、3B生徒からのいじめ告発の電話内容を金八に知らせるなど協力しており、第4シリーズでは金八を桜中に復帰させるよう教育委員会に頼んだ。SP9では「金八オヤジ狩り事件」の取材から乙女と幸作を守るため、2人を池内家に匿った。第7シリーズでは、和田に板橋のアテンドを頼まれたことで桜中学にやってくるが素性を知らない生徒にデイサービスに連れて行かれたが、楽しかったと言っている。退職後の今でも金八の良き理解者である。ファイナルでは乙女の結婚式で祝辞を述べた。乾英子と聞いたらすぐに乾の妻と看破する。野村 孝一郎[注 54]演 - 早崎文司(1・2・4、SP1 - 6、新・仙・貫)SP6までは教頭を務め、第4シリーズでは校長に昇進した。大阪出身であるため関西弁も話すこともあった。教頭時代は何より世間体を気にする小心者であり、金八の大胆な行動と、彼を容認する君塚にハラハラさせられていた。また、第1シリーズでは息子が受験生で横浜国立大学に合格する。乾同様、SP6の宮沢の結婚式をきっかけに金八親派となり、校長に昇進した第4シリーズでは金八を桜中学校に呼び戻す。高校三年生が十八番な他[51]、息子の大学の合格発表当日には緊張のあまり煙草を逆向きに咥えたこともあった[52]。第2シリーズで加藤が転校して来た際は教育委員会に対し「教育の限界を超えた場合、本校では加藤優についての責任は取りかねる」と君塚に無断で報告したが、第4シリーズで加藤が母校訪問した際は喜んでいた[53]。主な校長の決定として体操着と女性制服をリニューアルし、校舎を改装した。また、出席簿は男女混合にし、第5シリーズから本格的な男女混合名簿となった。病気がちという設定で影は薄かったが[注 55]、教頭時代とは違って金八に全幅の信頼を寄せ、穏やかに教員生活の最後を迎える[注 56]。第4シリーズ劇中で昭和4年度生まれという設定がつけられ、生徒達に専門教科が保健体育であると語る。また小学生の頃東京に疎開した際に、当時の担任があまりにもひどい教師だったため、生徒を思いやれる教師になろうと教員を目指したが、管理職に昇進し生徒を締め付けるような立場になってしまったことを生徒に詫びた[54]。「キンキン声は石川の方が上」と発言し、石川に「都合のいい耳」と言われている。本田[注 57]/ 大西 豊演 - 織本順吉(SP4 - 6)/(5)織本はスペシャルと第5シリーズで違う役柄で出演。スペシャルでは現役の校長本田として、第5シリーズではケアセンターの利用者大西として出演。書籍上は同一人物とされているが、両者は性格が違う[注 58]。本田は君塚の後任の校長。徹底的な管理体制・部活動の強化・河田らのおこなう暴力的指導などに賛同するが、いじめなどには事なかれ主義がみられる。乾・野村・河田らを味方につけ、金八と対立を続けていたが、SP6では乾と野村に裏切られ、味方は河田のみとなった。大西は君塚の前任で、国井が新卒時の校長。第5シリーズにデイサービスセンターの利用者として登場。足が悪く車椅子を使用していた。妻と息子に先立たれており、孫は息子の嫁の再婚先の北海道に住んでいる。金髪やバイク通勤に苦言を呈すなど、多少気難しい面もあるが、話好きかつ世話好きで、3年B組の生徒たちとも親しくなり、金八も自宅に招き入れたこともあり、幸作は一緒に入浴までしている。しかし、3学期始業式当日に兼末が仕組んだことで3年B組生徒との間で揉め事が発生し、塩沢に「死ね」と言われ激怒。塩沢に詰め寄り、突き飛ばされ、頭と肋骨を強く打って入院。後に塩沢とは和解するが、直後に肺炎で病死。葬儀では、桜中学の職員・全校生徒、息子の妻や孫、服部や池内、デイセンターの職員・利用者など大勢の人々が集まり、桜中学の校歌で送り出されたあと、富士見斎場で荼毘に付された[注 59]。なお、彼の遺骨は比留間の寺院に埋葬されることになる。SP10内で一周忌の法要があった。石川 千春演 - 李麗仙(4)カタブツ系の教頭だが思秋期。病気がちの野村に代わり桜中を厳しく取り仕切り、生徒からも教師からも恐れられていたが、実際は金八の手腕も評価しており、シリーズ後半から徐々に金八や3年B組に理解を示すようになった。影では野村を尊敬しており、野村の体調を心配するあまり涙を流すことすらあった。かつて一流企業に入ったものの、退社してセネガルで井戸掘りをし、現地の女性との結婚した息子がいる。その事でいつも以上に感情的になった事もある。野村は自身の教頭時代とは異なり、彼女をなだめる立場となった。カタブツな人物とは裏腹に、編み物が趣味で、生徒がたこやきお守りを作るときに不足していた毛糸を与え、不思議な目で見られたが、その出来栄えに感心することもあった[55]他、第21回ではインドの服装や生活などについて説明した[56]。校長に昇進することを目指している[57]他、「男女」という言葉を使った金八に対し、「女男という日本語はないのか」と質問した[58]。山屋演 - 石田太郎(SP9)校長としては頼りない性格。歴代校長の中で彼の写真のみ校長室に飾られていない。石田は第7シリーズで、土橋町会長を演じた。和田 政伸演 - 長谷川哲夫(5 - 7、SP10、同)第5シリーズでは校長としてデイサービスセンターを開設させた他、ルーズソックスや女子のズボン着用を許可した[注 60]。同シリーズでは教頭の国井に押されることが多かったが、不登校となった市村がレポートを提出することで出席と認めたり、生徒に対する体罰の責任を取って辞表を提出した金八の処遇を謹慎1週間と減俸1ヵ月とするなどした。温厚な性格だが、大西が負傷したことで動揺する3年B組には毅然とした態度で接した。第6シリーズ第1回で教育長の松村純一郎が死去したことに伴い、後任の教育長として転出。千田とは旧知の仲で、水と油な千田と金八とを公平に評価し、金八の教育委員会への転出を勧めた。金八異動が発覚した卒業式では「地域全体の金八先生になってもらいたい」と説明し混乱を鎮め、その後も金八と共に板橋の校長就任に尽力するなど、ことあるたびに登場している。また、教育委員会異動後も、教育長室での喫煙を容認している[59]。全シリーズの校長の中でも特に金八の手腕を高く評価しており、彼に全幅な信頼を寄せていた。千田 喜朗演 - 木場勝己(6・7、同)[注 61]和田の教育長就任に伴い松ヶ崎中学校の教頭より着任した校長。短気で頑固な性格であり、傲慢で尊大な言動が目立つ。系統主義的な教育観から学力低下を危惧し、携帯電話やゲーム機の持込禁止をはじめ、鶴本のロングスカートを自ら指導するなど、それまでの桜中学校の伝統を覆す学力第一主義。学校行事の削減や卒業証書製作のためのケナフの栽培[60]、文化祭の等級の廃止[61]を独断で通達する[注 62]など、デイサービスセンター・地域交流の軽視などの方針をとった。「男は男らしく、女は女らしく」が口癖で、本田が高鳥から預かっていた過激な性教育用人形を問題視したり、他の教員の机に性の本があれば無断で没収したり、男女別名簿の復活などを唱えたりと、行き過ぎた「ジェンダーフリー」に歯止めをかけようとしたりする保守派の校長でもある。また、自分の意向に従わない教諭を大胆に更迭するなど、校長として豪腕ぶりを他の教師や生徒に見せ付けた。第7シリーズ『悪魔のささやき』では天野に暴行を加えた園上に対し、天野の父親への土下座を強要したが、金八に「未成年に土下座をさせることはできない」と言われ、結局は金八と小田切と国井が土下座をした。性同一性障害などの障害に対する理解が低い反面、発達障害のある山田や飯島を普通学級に在籍させることは容認しており、第7シリーズ『踊れ!魂のソーラン』では文化祭に特別支援学校の生徒達を招待した他、和田に対し、「本校の生徒にも、ハンデのある生徒に対しての理解が深まってくれたとしたら何よりだ」と話している[注 63]。また外国人教師や非常勤講師に対しては蔑視的な態度を取り見下していた。小椋の出産で教員一同が大騒ぎをした際は「くだらない」と見下げていた他、小林の出産の際も彼女を「腹のでかい女」と呼んでおり、妊婦が職場にいることを快く思っていない性格である。また、第6シリーズ最終回では卒業生の出入りを制限するような発言も見られたが、第7シリーズでは普通に3年B組の卒業生が桜中に出入りしている。一方、教員同士がファーストネームで呼び合うことを禁止した割には小林を「花子先生」と呼んだり、ゴミ箱を蹴飛ばして足をぶつけたり、健康増進法の影響で校内禁煙化が進んでいるにも関わらず教育長室で喫煙したり、北と一緒に帰宅する際に暴走族に驚いて北に抱き着いてしまうこともあった。また、第7シリーズでは給食費を入学時から未納の狩野の給食費を2年半立て替えるといった面も見られた。第6シリーズ終盤、衝突を繰り返す金八を教育委員会へ異動させることに成功するが、卒業式で鶴本をはじめとする卒業生・在校生、全教師・全保護者、来賓者など全員に集中非難され、ついには味方につけていた北にも裏切られる。第7シリーズでも金八やデイケアセンターと対立するが、民間校長の件でストレスを抱えており、精神安定剤などの薬を常用し、薬物依存状態だった。そのため同シリーズ第6回にて狭心症の発作で倒れた。倒れる以前から体調不良を理由に早退し、仕事を国井任せにすることが多かったが、仮病かどうかは不明。彼の妻によれば、当初の入院期間は1ヶ月の予定だったが、自己流のリハビリを行ったことで体調が悪化し、退院が延びてしまった。結局は板橋が後任の校長に就任することになったため、最後まで桜中に復帰することはなかった。板橋 香奈演 - 木野花(7、SP11)桜中学を日本で初めての「理事会制度」の学校とするため、金八と和田に懇願され、休養を取ることになった千田の事実上の後任として出版社勤務より民間人校長に就任。「学校は子供が主役であるべき」を理由に、丸山の問題に立ち向かう金八を後押しする。本来は第7シリーズの翌年から校長となる予定であったが、千田の急な入院により研修として桜中に赴任する事になる。その後スペシャル11で正式に校長に就任する。鹿島田 浩二演 - 浅野和之(8、F)金八より年下の校長。主な校長の決定としてデイケアセンターを廃止し、前後期制を導入した他、教頭の呼称を「副校長」に変更した。学校選択制導入により、生徒のことより先に学校の評価をとても気にする。少しでも学校の評判を上げるため、弱小サッカー部に関口をコーチとして招いたり、生徒の個別補修を認めたりしている。第8シリーズ中盤では北山の面接の練習の際に彼の気に障る質問をして彼から「クソ校長」「バカ」呼ばわりされたことがある。その際に「バカじゃない」とムキになったり、そのことを職員から咎められ森月から抗議を受けた際には怒って校長室に引っ込んでしまうこともあった。その一方で森月の父親が国会議員と聞いてビビるなどやや短気かつ小心者な一面も見せるようになる。終盤では悪質な週刊誌[注 64]の報道から金八や生徒たちを守るため、やむを得ず森月の父親の圧力に屈し金八を3年B組の担任から外し、卒業式の出席を辞退させるが金八が森月の父親を説得し、さらに生徒や教職員の説得で金八の担任復帰を認める。ファイナルでは、香坂を殴って警察に捕まった景浦の復帰を当初は渋っていたが、金八が保護者への説明会で父兄を説得したため、景浦の復帰を認める。教育熱心な金八とは意見が合わず衝突も多いが、手腕は認めている。老人デイサービスセンター[編集]第5 - 7シリーズに登場。
田中演 - 堀内正美センター長。地区協議会にも参加している。温厚な性格だが、第7シリーズではソーラン節の衣装を下駄箱につっこんだ生徒に厳しく注意し、そのことで遠藤と取っ組み合いの喧嘩をしたこともある。千田がデイサービスセンター・地域交流を軽視した態度をとり、「老人ホーム」呼ばわりしたため、意見が対立していた。小椋 英子演 - 原日出子主任。第5シリーズでは未亡人のシングルマザーだったが、第6シリーズでは乾友彦の妻となり、長男・英彦を自宅で出産した。田中同様、センターを桜中の居候扱いする千田とは対立していた。第7シリーズでは産休中の小林と互いの夫に対する愚痴を言い合ったりするなど彼女と親しくなっている他、桜中を訪れた君塚を利用者と勘違いしたこともあった。第7シリーズ終了後、第3子・メグミを産む。第8シリーズには出演しなかったが、同シリーズ『父親はウザイか?』では智美(彼女の連れ子で乾の実子ではない)や英彦の学校の用事に参加するため、メグミを乾に預けた。高橋 良雄演 - 山田アキラ介護福祉士。モットーは「気は優しくて力持ち」。第5シリーズの文化祭では、お年寄りが製作した紙の鶴の寸法を間違えるというミスをした。木村 トキ江演 - 幸田直子栄養士・給食担当。第6シリーズでは今井にバッグをひったくられたが、その後和解した。沢野 洋造演 - 守田比呂也第5シリーズ『金八涙の体罰…3B騒然辞表提出』で学校とセンターとの合同餅つき大会で餅を喉に詰まらせ危険な状態に陥るも、金八や職員の応急処置で一命を取り留める。『特別授業は大混乱』では、戦争中の話を交えながら紙すきの演示を行った。松崎 キヨ演 - 町田博子センターの利用者。当初は飼犬のタローを一人ぼっちにはできないとセンターに連れてきて一騒動起こるが、桜中の2年生が犬小屋を製作したことでセンターにタローを連れてくることができた。第5シリーズ『ギャルの父は先生』では風邪をひいたタローを徹夜で看病をしていたが、逆に自分が倒れ、入院してしまう。三木 サヨ演 - 戸川暁子第5シリーズのセンターの利用者。他人から「おばあちゃん」呼ばわりされることを嫌っている。息子が大西が校長をしていた頃の桜中の卒業生であり、当時から気難しい性格の大西を良く思っていなかった。松ヶ崎中学校教員[編集]第3シリーズ、SP7・8における金八の勤務校。第4シリーズで金八が桜中に復帰した際、石川が「松ヶ枝中学校」と呼び間違えていた[62]。また、千田の前任校でもある。
田原 麻知(たはら まち)演 - 室井滋(3、SP7)数学担当で、3年C組の担任。性格はサバサバしており、無駄なものを排除する傾向がある。サイン色紙やネックレスを没収するため、生徒から恐れられ、評判は芳しくない。ただし、ネックレスについては山田に「先生だってぶら下げてる」と批判されている。また保健室においてわかりやすく算数(リンゴによる分数の考え方)を教えていた養護教員に嫉妬するシーンもあった[63]。その反面、寺尾の授業放棄事件では慰め役となっていた。真野 明演 - 石黒賢(3、SP7・8)英語担当で、3年B組副担任。情熱を持った熱血教師ではあるが時に空回りもし、食べ残しゼロを目指すあまり苦手な生徒へ給食を強制し一気食いをさせた事で、生徒を泣かせ不登校にさせたり[64]、倉橋にせがまれて成績を通信簿を渡す前に教えてしまう。後にテニス部顧問に就任する。チェッカーズのファン。石田 久志演 - 岩下浩(3、SP7)理科担当で3年A組の担任。年代のせいもあるが「そんなにがんばらなくてもいいのに…」といった現代の教育事情に対する嘆きを語ることもある。水虫を患っており、職員室内でその治療をしたりする。教育論についてベテランらしいアドバイスを送る場面も。寺尾 純子演 - 岡本舞(3、SP7・8)社会科担当で3年D組の担任。落ち着いた穏やかな雰囲気をもっており、職員室の中でもアイドル的な存在であるが、授業中生徒の私語がひどく、静かにならないときに怒鳴ってしまい、泣き出しながら職員室に帰ってしまう事件があった[65]。村井 剛演 - 白石貴網(3、SP7・8)保健体育担当。SP8では、朝のひと声運動に率先して参加。柿野と大喧嘩したことを反省し、金八と3人で一緒に正座する。ツッパリの格好した葉山を追返が、金八の説得で葉山を追返は辞めるが、化粧してきた高村を追返。三上 良子演 - 樫山文枝(36、SP7・8)養護教諭。第6シリーズでは都立ひかり高校定時制に勤務。松ヶ崎中時代は水野の保健室登校を容認し、ひかり高校異動後も鶴本の進路相談に乗ったり、闘病中の幸作を気に掛けるなど、金八には協力的である。青山演 - 鷲尾真知子(SP8)数学担当。生活指導を担当しており、ヒステリーな性格。他作品にも出演し、西野・高峰・日下・日野のヒステリックな保護者を演じた。屋敷演 - 沼田爆(SP8)理科担当。第4シリーズ以降、杉山修一の父親を演じる。杉山 泰三演 - 内藤武敏(3、SP7)、入江正徳(SP8)校長。優柔不断な性格だが、金八の教育方針には一定の理解を示している。SP8は内藤の都合で出演できなかったため、入江が代役を務めている。山津 茂演 - 橋爪功(3、SP7・8)教頭。典型的な学力重視の教育方針。自動車の運転は乱暴[66]。杉山と一緒に夜回隊をやっており、柿野を不良と決めつけ目の敵にしている。前任校は山の手[67]で、金八と同時に松ヶ崎中に赴任してきた。郷に入っては郷に従う性格で、桜中の話題を出す金八に「前任校の話を持ち出すな」と釘を刺す。