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インド古典中もっとも有名な本書はヒンドゥー教が世界に誇る珠玉の聖典であり,古来宗派を超えて愛誦されてきた.表題は「神の歌」の意.ひとは社会人たることを放棄することなく現世の義務を果たしつつも窮極の境地に達することが可能である,と説く.サンスクリット原典による読みやすい新訳に懇切な注と解説をくわえた.
君には定められた義務を行う権利はあっても
行為の結果についてはどうする権利も持たない
自分が行為するのではない
自分が行為すると考えないからといって怠惰にはならない
ビジネス書などでもよく引用される言葉です。今だけに心を注いで、自分ができることを精一杯やること。そうしたら自ずと結果はついてくるからこだわらない、という考え方です。そして、その結果は、その時どう見えたとしても、時間がたったら最良の結果だったとわかるはず。それは天の采配だから。
バガヴァッドギーター 6章16節あまり多くを食べすぎてはいけない
また小食にすぎてもいけない
眠りすぎも睡眠不足もいけない
もうそのまま現代人の教訓でもありますね。何ごとも腹八分目。すぎたるは及ばざるがごとし!
バガヴァッドギーター 6章9節自分に好意をよせるものも冷淡なものも
友人も敵も嫉妬深いものも
修道者も罪人も どこにも属さない人も
みな平等に観る人は誠に進歩している
今存在しているものは、そのままで価値があるけれど、例えば肩書きやその時々の思いはうつろなもの。価値を測る基準になるものではありません。そうしたものに惑わされないで心眼で観ること。そうしたら、すべてにおいて真の美しさを捉えることができるように。そういう姿勢、態度、在り方でいられることが、人として成長する土台を作ります。
バガヴァッドギーター 6章7節心を克服した人はすでに至上我(パラマートマー)に達し
いとものどかな平安境に住む
彼にとっては幸も不幸も寒暑も
名誉も不名誉もすべて同じである
揺れる心に惑わされないようになった時、真の平和が訪れます。そうなったら、世の中にあるものに価値の違いなんてない、ということに気づくはず。その境地に至れば、争い事や競争、境界なんて必要なくなりますね。