矢を収納するもの |
矢だけを収納するものと矢と弓を収納するものの2種類がある。 矢と弓を収納するものは台形式が多く見られる。
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屏風型矢入れ |
一枚が高さ90cm、幅37cmの桧製で4枚が蝶番で接続されており、折り畳んでおくことも 屏風として広げておくことも出来る。一面に11本の矢が入り、計44本が収納される。 そのまま持ち出して使用出来き、家具としても洗練された設計のものである。 | |
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弓矢立て |
一つの台に弓2張と11本入り矢籠2個を設置したもの。矢籠は取り出すと、射手の帯に挟める設計。台には金属製の取っ手が2個あり、両手で持ち運搬した。矢台は参勤交代など行列用で、室内ではL字型の木台に立てかけておいた。この方式は実用のものでないとの意見もあるが、行列などの見かけの良さを狙って設計と作りであろう。弓矢台は高さ85cm、矢籠高さ63cm。 | |
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弓矢立て その2 |
上記のものと同じ概念であるが、もっと上作のもの。全体が高さ92cmの箱状でその内部に弓を2張と矢籠が2個入る。箱は木製で外面は皮張り漆塗り、蝶の家紋が入っている。矢籠の柄は鯨の髭が曲がるもので(この意味が分からないが)、下部の皮袋に矢尻部分が入り、上は紐で止める。矢籠には一部しか矢が残ってないが、それらの矢尻は短く横広い形状である。 | |
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矢のみのものは空穂(うつぼ)と言う瓢箪型をひっくり返したような大型なものが一般的である。これは下部が蓋になっており、 そこを開けて矢を羽根から取り出す。 (129) 箱の例としては全体が頑丈な木製でその内部に、矢立てが2つ入るものが存在する。この矢立ては台状のものより軽便で孔の開いた 板はなく下の皮袋(鏃部分が入る)で収める。高さ90cm、横幅22cm、奥行き10cmくらいのもので、矢を入れても羽の分は中に入 っている。 百矢台は箱状の立方体で数多くの矢が羽根を上にして立てられたいる。装飾と矢の保管を兼たもの。 矢屏風は矢を立てて並べ屏風のようにした家具の1種で、4つくらいに折り畳めるものが 存在する。全部で50本程の矢が収納されている。 実物はほとんど見たことがないが、参勤交代の錦絵には弓矢は何らかの収容嚢に入れられて人が担いで運搬している様子が描かれている。
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矢筒と練習矢、手袋入れ(江戸時代) |
矢筒は紙製で長さ92cm、直径7cm(蓋の部分)で前後に赤く合印が入れてある。 練習矢でも、現代の練習矢に比較すると太く重い。練習矢の帽子型先端は古来よりのものらしい。皮袋には矢場で使う、手袋、弦などを入れた。 |
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弓の収容嚢 |
赤い漆をぬった皮革製の細長い袋で一方が開いていてそこから弓を出し入れする。真ん中辺り両面に金色の葵の紋。長さ220cm、周囲20cm | |
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其の他付属物 |
弓の先に被せる皮の袋 (家紋入り) |
弦を抑える皮の帯長さ10cm程度 装飾がある。 弦を巻いて置くもの、直径12・5cmリール状のもの 弓の弦は管理が悪く折れ目が付いてしまうと切れやすい。
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手袋 |
右手の上から3本の指を被う皮製のもの。親指部分は固形となっている。実戦でこのようなものを使用したかは疑問である。 弓は接近戦に使用され、その後は直ぐに刀を抜いた闘いになったはずだからだ。弓の先に刃物を装着し槍として使えるもの(梓弓)が存在する。
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