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竹製の柄、矢尻(鏃)、羽で構成されている。実用の矢は、明らかに練習用のものと異なり太く、重い。最大の相違点は弦をつが える後部(筈と言う)で、実用のものは竹に弦の幅だけの切れ目が入れてあるのみ。練習用はここに骨で出来たものが入れ込んで ある。 鏃には長い柄が付いておりそれが竹の内部に深く入っているが、引き抜ける。柄は黒く漆で塗られたいたり、また印のためか何本かの筋が入れられている。鏃の形状、寸法には様々な種類がある。 | |||
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鏃(矢尻)の種類 | |||
夥しい種類の鏃が存在し、その形状、寸法、重量を距離、対象物、使用目的に従い使い分けたのであろう。それらは形状から以下のように呼ばれている。 鳥の舌 柳葉 槙葉 木葉 定角形 つるはし (以上征矢) 腸拐の尖根 狩俣 平根 鏑矢 | |||
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羽根には3枚のものと4枚のものが存在する。4枚の矢羽根には2種類の鳥の羽根が交互に使用されており、3枚の中差しの矢羽根は1 種類の鳥のものである。主として鷺か熊鷹、鶴、 トキ、山鳥の尾などを使用した。現存するものを見るに上が濃く下が薄いもの、グラデーションが掛かり美しく製作されている。ま た一つの矢筒には同じ矢が入れられていた。 矢の長さは拳12個分と書いてあるがこれは根拠があるのであろうか。矢箱持ちは100本を一人で担いだとされているが、幾ら軽い 矢でもこれくらいが限度であったろう。 実用の矢を征矢と呼んだが展示物に征矢がなく練習用の細い矢で間に合わせてあるものを良く見る。 鏑矢は合図に射たと言うが敵方に射てしまうのは惜しい程の出来である。 | |||
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